
*硫黄島からの手紙(米LETTERS from IWO JIMA)
12月9日日本公開 12月20日全米公開
クリント・イーストウッド監督作品
プレビューを観た事もなかったのでこの映画の存在を知りませんでしたが、たまたま映画の看板を見て、予定していたスタローンの『ROCKY BALBOA』とどっちを観ようか迷った挙げ句、開演時間の早いこの映画を観る事にしました。
週末で20本も上映されている映画の中、この映画を選んで入ってきたお客さんはたくさんいて、館内はほぼ満席状態でした。
映画が始まって驚いた事は、キャスティングが日本人俳優で日本語をそのままに使い(こちらでは英語字幕付きでした)、日本側視点の戦争の物語だということでした。

栗林忠道陸軍中将役の渡辺謙さん、西郷役の二宮和也さん、バロン西役の伊原剛志さん他、アメリカの映画館で日本人(渡辺さん以外の)俳優をお目にかかれるなんて思ってなかったのでスクリーンに出てきた時は嬉しかったです。
映画を見始めて気になったのは、英語字幕のまま最後まで通すのかな・・アメリカ人は日本人俳優の演技をどう受け取るのかな・・ということでした。
西郷役の二宮さんの演技はよかったと思いますが、妻子あるようには見えなかったのでその点では物語に入り込めませんでした。妻役の女優さん、だれだっけ、だれだっけと観ながら脳内を探っていたら出てきました。
ゆうき奈江?!いつ復活したのかちょっと驚きでした。他にもいい日本人女優さんいっぱいいるのになぁ・・、なんて。
中盤から、すぐ前に座っていた老夫婦の男性の方が、鼻をすすっていましたが泣いていたのかな・・カゼ?
静かな流れの映画でしたが、憲兵隊が犬を殺すシーン、投降した2人の日本兵を米兵が射殺するシーン、洞窟内での自決のシーンでは思わず体が硬直してしまいました。
戦いの場は想像以上に凄まじかったことでしょう。
日本の戦いの歴史にある「自決」という行動には理不尽さと切なさだけが残ってしまいますが、世界でこれを見ている人たちはこのシーンを改めて見て、どう感じているのか気になりました。
これだけの日本人俳優をそろえておいて、もしも、一方的にアメリカ側が勝利したということだけを伝える内容だったとしたら・・
ちょっとブルーになったまま映画館を後にしていたかもしれません

ほとんどの戦争映画の場合、どちらかに感情が傾き敵か味方かがはっきりしていますが、クリント・イーストウッド監督はそのどちらでもなく忠実な視点で物語を美化する事もなく、日本人の細かな部分をドキュメンタリーに描いていたと思います。
これはいらないんじゃないかな、というシーンもところどころあったのと、観終わった後に気分がすっきりしなかったはなぜか・・。他の戦争映画とは違う後味。
胸が熱くなったシーンは「靖国で会おう」「来世で会おう」という台詞の時。
来世で巡り会えるといいですね。
サウンドトラックの優しいピアノの音もこの映画にぴったりだったと思います。
見逃してしまった1部作目の「父親たちの星条旗」もぜひ観てみたい。
昔からいくつもの戦いがあって今の時代ができました。
感情がある生き物だからいつの日も争いは絶えない。
戦争だけが悪いとは一概に言い切る事はできませんが、どの国の人も家族があり守るべき物があり、平和である事を願っていることだと思います。
戦争だけではなく、同じ国民同士で人と人とが争う事も多い今の世の中をどのように平和に変えて行くか、それがひとりひとりの役目なのではないか、そう考えさせられました。
★『硫黄島からの手紙』の個人的評価7/10★
伊原さん、かっこよかったなぁv
